どんな時代もサバイバルする会社の「社長力」養成講座
どんな時代もサバイバルする会社の「社長力」養成講座 (ディスカヴァー携書)
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小宮 一慶
ディスカヴァー・トゥエンティワン (2009-03-15)
売り上げランキング: 2648
ディスカヴァー・トゥエンティワン (2009-03-15)
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おすすめ度の平均:
経営に求められる原理原則、そして人間性わかりやすい
社会人としての基本的な考え方を学べる本
目標より目的
「社長力」はリーダーシップを必要とするヒトすべてに求められる力でもある!
社長力1.ストラテジー力p.15-70
社長力2.マーケティング力p.71-110
社長力3.ヒューマンリソース・マネジメント力p.111-149
社長力4.会計力p.151-189
社長力5.リーダーシップと人間力p.191-226
印象としては、広く浅く、最低限の知識と意識を知ることができる一冊。コンパクトに収めるという目的のために、細かいところは他の著書を参照しないと分からないつくりになっている。
それもころも著者が執筆する○○力の5冊目という理由であろう。全体を網羅した一冊ではあるが、ドラッカー等の様々な知見を元に纏められており、色々かじっている自分としては読み進めながら「この箇所はあの本で見たな〜」なんて感じた。
【気になった言葉】
- 経営という独立した仕事があるp.16
- 経営とは「企業の方向づけ」「資源の最適配分」「人を動かす」p.18
- ダメな会社は、社長が部長の仕事をし、部長は課長の仕事をし、課長は係長の仕事をし、係長は平社員の仕事をしている。それで平社員はというと会社の将来を憂えている。(一倉定)p.19
- 方向付けを正しく行うための基本は、「お客さま」の動向をきちんと見ること。会社とそこで働く人全員が「お客さま志向」である必要がある。p.20
- 社内の会議や電話の出方など、とにかく小さな行動を徹底していく。p.21
- お客さまの背後にある世の中全体の動きをとらえる。お客さまのニーズと世の中全体の動きを的確にとらえる。p.22
- 不確実な未来をある程度読み解く。現在と過去をコツコツ勉強する。p.25
- 自分自身の経済観、経営観を養うために、常に現在(現在は常に過去になる)を知る地道な努力は、経営者の最低限の義務。p.29
- 目標よりも目的。人は通常は給料についてくる。しんどいときはビジョンや志についてくる。p.32
- 新規事業よりも既存事業。内容をよく知っている既存事業で上手くやれない会社が、よく知らない新規事業でうまくいくわけがない。p.34
- 小さなリスクは恐れるな、大きなリスクはとるな。企業は社運など簡単にかけてはいけない。小さな挑戦が前向きな社風作りの基礎となる。p.37
- 自社の規模の大乗に関わらず、(売上ではなく)お客さまの中でのシェアを高め、そのお客様から「重要な」あるいは「大切な」存在と思われること。p.40
- 下請けよりも自立。p.44
- 弱肉強食よりも優勝劣敗。ゼロサムゲームでは意味がない。p.47
- オンリーワンよりもナンバーワン。徹底の差がナンバーワンかその他大勢かの違い。p.50
- 内部志向よりも外部志向。会議中のお客様からの電話。優先すべきは電話。p.59
- ESよりもCS。モチベーションよりも働きがい。p.62、64
- 居場所が必要条件、他人からの評価が十分条件。p.66
- 新規顧客よりも既存顧客。潜在客⇒顧客⇒得意客⇒支持者⇒代弁者⇒パートナー。p.74
- 他社の真似よりも他社との違い。「Quality」「Price」「Service」。p.76
- サービスはやっているかやっていないかではなく、どこまでやっているかが肝心。p.78
- ABC。当たり前のことをばかになってちゃんとやる。p.85
- 客観的一番よりも主観的一番。信頼感、値頃感、安心感、心地よさ、愛着で一番に。p.90
- ワントゥワンマーケティング。自分ならどうされたいか。p.96
- 満足よりも感動。満足は期待通り。感動は期待以上。p.99
- 商品開発よりも認知度向上。AIDMA。p.102
- クレームゼロ運動は、クレームの隠蔽に繋がる。p.106
- 「松下電器は何を作っている会社かと尋ねられたら、人を作っている会社です、あわせて電気製品もつくっています、と答えなさい」(松下幸之助)p.113
- スキルよりも価値観。「熱意や職業観、倫理観」といった基本的な価値観が一致する人を会社というバスに乗せることが大切。p.116
- 実力のないリーダーは和気あいあいにしたがる。それよりも切磋琢磨。p.122
- 横並びよりも信賞必罰。確り働いている人に報いる。p.124
- 理想の組織はドイツのアウトバーン。自分のとりたいリスクでそれぞれ走る。走りたい人を思いっきり走らせてやれる環境をつくるのがリーダーの仕事。p.125
- 努力賞よりもメジャラブル。例えば「知名度の向上」ではなく、「ネット検索で同業中○位以内」p.129
- 規制よりも自由。方針に従っている間は、細かいことは言わずに自由に働いてもらう。p.132
- 意識改革よりも小さな行動。お客様は社員の意識改革など別に望んでいない。理解は偶然、誤解は必然。
- 小さな行動を変えさせる方法。人にやってもらいたいこと、やってもらいたくないことは、言うより書いて渡した方が有効。p.137
- 意味よりも意識。心理バリアが低ければ、多少の無理も聞く。p.141
- 報酬よりも誇りと信念。人が寝食を忘れた働くのは、そこに、「誇り」や「信念」があるから。島津製作所。p.143
- 経済は人を幸せにする道具。政治も道具。目的は人を幸せにすること。p.145
- 社会や働く人に幸せを与えられる組織でなければ存在する意味はない。p.148
- 会社の「社会の存在」そのものが売上高であり、お客様に喜んで頂いている大きさである。p.154
- 中長期的な安定性を「自己資本比率」(10%以上)、短期的な負債の返済能力を「流動比率」(120%以上)p.157
- 手元流動性(現預金+現金化できる+直ぐに借り入れできる借金)。中小なら月商の1.7か月分、大企業でも1か月分。p.162
- 稼いで貯めるではなく、稼いで使う。借り入れの返済、未来投資、株主への還元。p.165
- ROE(株主資本利益率=利益/純資産)よりもROA(資産利益率=利益/資産)。ROEは負債の比率を高めるだけで改善する。p.172
- 資産規模から見た必要な利益がある。営業利益ベースのROAで5%が合格ライン。p.177
- 売上高-経費=利益ではなく、必要利益額+最小経費=必要売上高。一人当たりの付加価値額を考える。p.178
- 投資拡大よりも増し分。トラックのチャーター便。投資に頼るのではなく、工夫に頼る。p.181
- 財務会計、税務会計、管理会計。一時間あたりの生産性、一人当たりの売上高と付加価値額を。p.185
- 銀行は安全性、収益性、成長性、経営者、銀行の収益性を見て、融資の判断をする。p.186
- 会計や財務よりも「社会貢献第一」。企業が存続できる条件は、社会に貢献すること。(ドラッカー)p.188
- 外部環境と内部環境の優先順位を付ける。自分が本当に心から信じて、実践していることだけを部下に伝える。p.194
- 気合よりも具体化。「それで具体的には?」漠然としたことを言わない。p.198
- 話すよりも聞く。どんな人の話を聞くときにも必ずメモを取る。人は自分の話を聞いてくれる人を好きになる。p.204
- 本当に優しい上司は部下に厳しい。厳しいリーダーのほうが結果を出し、最終的にはみなを幸せにする。信念を持った厳しさのあるリーダーについていく。p.205
- 「欲はエンジン、理性がハンドルやブレーキ。」「よい会社悪い会社はない。あるのはよい社長、わるい社長」p.208
- ダム経営をしようと思うこと。(松下幸之助)p.210
- 成功した人。「せっかち」「人を誉めるのがうまい」「他人のことでも自分のことのように考えられる」「恐いけど優しい」「素直」p.217
- 判断基準はFor the Company。部分最適化の集合が全体最適化になるとは限らない。同じ事を部下がやって許せるか。p.218
- リーダーは、「現在より未来」「表面より本質」「自分より他人」「順境より逆境」p.223