Better Days

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秋元康が生み出す、AKBというコンテンツ

日本のコンテンツはなぜ海外で勝てないか――AKB48生みの親、秋元康氏が語る
http://news.livedoor.com/article/detail/5968871/

ターゲットを意識しないというマーケティング。
「わからないものを売る」「納豆のにおいを消さず、臭いまま売る」という手法。

なるほどと感じる点がたくさん。

少女時代のオーディションをどれだけの人が受けてみようと思うかというと、普通は気後れしますよね。でもAKB48は誰でも合格できるんじゃないかと思える。

これが韓国アイドルとAKBの大きな違い。でも、この流れをより強くしたのは、秋元さんじゃなくて、つんくな気がする。やっぱりモーニング娘。後藤真希が加入したときの衝撃は計り知れなかった。同年代の金髪の子が入った事実を見て、"オーディションに合格する"のは高校生以上でまさか中学生が入るなんてことがあると思えなかった。だからこそ、同年代の女子の間では、"ゴマキがトップアイドルになれるなら、私も!"という感覚が生まれたに違いない。(金髪の件は、実際には、夏休みの間だけ、金髪していた訳で、学校が始まったらすぐに戻した訳ですが。)

板野友美が17〜18歳のときに髪を染めてきたことがありました。周りのみんなは黒髪なのに、です。でもまあ、ああいう娘はクラスに1人いてもいいと思います。みんなが同じでなくてもいい。教育とは、全部が同じじゃなくてもいい、ということなんです。

それでも統制がとれているのは、何かしらのビジョンがあるからではないかと。。実際、テレビで見るAKBは仕事だからというのはもちろんであるが、"一生懸命さ"が伝わる。
では、そのビジョンが何かといえば、世界進出なのかというとそうではないと思う。「トップアイドルであり続けること」ではないかと。そう考えると、彼女達は自分たちに疑問を投げかけ続け、モチベーションを保てている理由になるのではと。

AKB48は鍋で煮込んでいるスープみたいに、すごく出汁がでています。どのタイミングでも同じAKB48は存在しない。毎日違っている。逆にK-POPのすごさは、いつも同じクオリティであることです。

仕事で捉えれば、後者の方が重宝されるが、コンテンツ業界にとっては必ずしもそうではない、というひとつの例。実際、両者とも"変化し続けなければならないこと"は理解した上で、挑戦し続けていると思う。(AKBがベトナムとの友好で表彰され、少女時代がアメリカデビューするように)

「ベランダーに置いた鉢植え」だと伝えています。日が当たるところもあれば、当たらないところもある。「総選挙」や「じゃんけん」で鉢植えの位置を変えて、どこかで日が当たるようにしたい。チャンスには順番がある。
ポップコーンみたいに僕が一生懸命フライパンを動かして1個でも多く弾ければいい。でもなかには弾けられない子もいる

どんな場面でも結果を出し続ける人材を重宝することも必要ではあるが、様々なタイプのチャンスを与え、それぞれの生産性を高めることも必要ということだと感じた。"個別最適化"と"全体最適化"の両立。分かりやすい表現で伝えるところに秋元さんのセンスの高さを感じる。

周りを見ながら作るのではなく、自分が良いと思うものを作る。止まっている時計は1日に2度、正しい時間を示します。でも周りをうかがっていると絶対に合わない。正しい時間を追いかけ続けるだけです。

確固たる価値観をもって、自分が気に入るモノを作れば、必ず合う人が2人はいるということ。「これは必ず面白い!」と思える視点を複数持っているからこそ、色々なタイプの人の時計に合う。色々な場面で使える成功法ではないかと感じた。