Better Days

Think Simple. Lead the myself

ソーシャルラーニングプログラム「Socla」に参加してきました。

8月11日、東京大学とベネッセの共同研究プロジェクト「Socla」の最終発表会に参加してきました。場所は東京大学 福武ホール。(始めて赤門くぐりましたw)
高校生が自ら自分の将来について「問いを考え、仮説を立て、結論を導く」にあたって、高校生と大学生・社会人をFacebookのグループ機能を利用して結び、学習を支援するプログラムでした。
https://www.facebook.com/BEAT.Socla

7月28日キックオフで今日がその最終発表会の日。Facebook上での積極的なサポートはできませんでしたが、非常に中身の濃い意見交換が繰り広げられており、最終的にどのようになったのかと、他の方々の視点・意見に触れてみたいという思いで参加してきました。

結論、自分の視野を広げることができたので、参加して良かったです!

理由としては、大きく3つ。
①問題を与え、答えを探させるのではなく、「問題そのものを自ら設定することの重要性」を再認識できたこと。
②自分と違った視点の意見を聞くことで、”学び”の効果が何倍にも膨れ上がることを感じたこと。
Facebookというツールを利用した、コラボレーション効果の大きさを目の当たりにしたこと。

以下、詳細。(当たり前のことばかりで長文ですが、考えを整理しました)

問題を与え答えを探させるのではなく、「問題そのものを自ら設定することの重要性」を再認識できたこと。

現代は、変化が激しく、スピードが非常に速い時代です。決まった戦略をいかに上手く実行するかよりも、いかにそのスピードについていけるかが問われる時代です。
また、インターネットが普及した現在、ある程度の答えはGoogle先生に聞けば教えてくれますので、検索リテラシーさえあれば答えを探し出すことができます。

言われたことを忠実に実践するということはもちろん大切なことではありますが、それだけでは足りず、「自分で課題を見つけ解決していく」というスキルが現在の日本に生きる全ての人に求められているといえます。
逆に言えば、パソコンやスマートフォンといった端末の進化によって「答えを見つけ出すことの効率化」が図られたため、人間が行うべきことは答えを探し出すことよりも、「そもそも何を解決すべきかという問いを見つけること」に重点を置いていく必要があると思います。
もちろん数十年前も求められたスキルではありますが、一部の階層の人だけがその役割を担うだけで社会システムが成立していたのではないかと思います。
その時代から生産性の向上がどの場面でも急激に進み、他社との差別化が図りにくい時代になってきているため、変化することが当たり前になり「安定」というものが見当たらなくなってきていると感じています。
今回のプログラムは、今年を含めて3回目の開催。主催者側もある程度の要領が分かっているようで、ある程度の骨組みを伝えており、サポーターもやみくもに答えを教えるのではなく、あくまでも支援するという立場に皆さんが徹し、高校生の参加者自らが問いを見つけ出すことで学習が促進できたんだと強く感じました。

「現状維持は衰退」と言われる通り、企業も人も常に学習し続け、進化していくことが必要です。
そのためには、立場に応じて「そもそも問題は何か」という問いに向き合い続けることが必要だと改めて認識することができました。


自分と違った視点の意見を聞くことで、”学び”の効果が何倍にも膨れ上がること。
Facebookのスレ上でコミュニケーションを図っていく上で、年齢も性別も経験も違うサポーターが様々な視点で支援を行い、高校生が気づきを得ていく様子はある種感動的でした。
あの学びは、高校生に教材を渡したり、ただ研修を受けさせたりするだけでは、得られなかったと思います。
つまり、高校生の問いを本人含めて全員が共有したことで、コラボレーションが起こり、答えを見つけ出すスピードが加速したのではないかと思いました。
(アクションラーニングのアプローチが頭に過ぎりました。)
したがって、「答えを導き出す」というマネジメント的アプローチは非常に重要ではありますが、お互いが「そもそも何が問題なんだろう?」というコーチング的なアプローチを行い、疑問を共有することで、問題解決のスピードが加速するケースもあるということに改めて気付きました。


Facebookというツールを利用した、コラボレーション効果の大きさ。
今回Facebookの非公開グループ機能を利用しました。
グループ内での意見交換、レポート(docファイル)共有、発表動画の共有、アンケート機能の利用等、Facebookの機能を活用し倒していたと感じます。
(この仕組みを考えた、東京大学とベネッセはすごい!と感じました。)
ある高校生の問い(例えば、医学と薬学の違い)に対して、サポーターのFacebook上の医療業界にいる友達がアドバイスを出す等、Facebookの繋がりも活用できており、主催者側が目指すソーシャルラーニングの一つのカタチに触れることができ、とても感動しましたし可能性を感じました。


最後に、東京大学の山内准教授の締めの言葉を。
"皆さん(高校生)が一番苦しんだのは、問いを立てることだと思います。
ただそれは、今まで全く経験を積んできていないからです。
しかし、社会人になれば、答えが用意されているものばかりではなく、自ら問いを探し、仮説を立て、検証していくことが必要です。
そして、今回問いを立て、一つの答えが出たと思いますが、大学に進学し、様々な経験を積めば、おそらく答えが変わってくる人がいると思います。
そのときには、もう一度問いを立て直して、答えを導き出して欲しいと思います。
また、こういったタイプの学習は一人ではできません。
周りのサポートがあってこそ、問いを立て直し、仮説を修正し、結論が導き出せたと思います。
今回の経験を糧にして今後も良い関係を続けていって欲しいと思います。”

「問いをたてるスキル」と、「人と人とのつながり」の重要性に改めて気付かされた一日でした。


蛇足。
参加した高校生に想いがあったからこそ、サポーターのアドバイスにも素直に耳を傾け、完成度の高い発表会になったんだと思いました。
ただし、この想いを持っていない人の方が圧倒的大多数だと思いますので、今回参加して、「現在想いがない人にどう想いを持たせるか」というのが私の問いになりました。
すぐには答えは見つかりませんが、自分なりに仮説を立ててみたいと思います。