Better Days

Think Simple. Lead the myself

ひとにまつわることを話すのが好きならば

社会問題であり、自分の問題。

今日も居酒屋で繰り広げられる「エンドレスな会話」とは何か? | 東京大学 中原淳研究室 - 大人の学びを科学する
http://www.nakahara-lab.net/blog/archive/3912

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 面白いな、と思ったのは、この3組のサラリーマンの方々の話題の90%は、
  
 「ひとにまつわること」
  
 であることです。
  
 ま、居酒屋での会話ですからアタリマエなのですが、「会社の戦略のこと」や「財務のこと」や「会計の話題」が話題になっている例はそう多くない(笑)。
  
 しかも、その会話の半分くらいは、
  
 「人が育たない」か「人が動かない」か「人が変わらない」
  
 の3つのどれかです。

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居酒屋でなされる話だけではなく、奥様たちが井戸端会議している内容も「ヒトの話」に行き着くことが多い。

そこでは「あーだ、こーだ」と「あの人が悪い」とか「こうすればいいのに」とか話がきっとなされている。
そして、それらの殆どの人は「どうやって人を育てるか」「なぜ人が動かないか」「なぜ人が変わらないのか」といったことを学んだことがあるわけではなく、それまでの自分の経験に基づいて話をしているのだろう。

一方で、「人が動く・動かない」「人が育つ・育たない」メカニズムについては色々と研究が進んでいるにも関わらず、その研究結果については研究に基づく理論よりも、経験に基づく持論がはびこっている。
経験に基づく持論が悪い訳ではないが、大事なことは自分がベースとする持論なり理論なりをアップデートしていくことだと思う。
一番怖いことは「わかっていないこと」ではなく、「わかった気になること」である。
10年前の経験をイマにあてはめて適応する場合もあればそうではない場合もある。その際に自分の理論を内省し状況に応じてその理論を適用していくことが重要である。

にも関わらず、「俺の時代はこれこれこうしていた」「私はこうやっていた」「昔本で読んで、こうやるものだと学んだ」という持論理論に疑いを持たず、適応させようとする人が多いのである。

居酒屋でなされる話がガス抜きになり、仕事のストレス解消に繋がるようであれば良いが、生産性を求めるのであれば、それぞれが前提としている持論理論に自覚的になり、状況に応じて適用させていくことが重要である。


やはり、理論を学びつつ実践を伴う経験から適用のさせ方を学んでいくことが重要なのであろう。
「ヒトに関する話」が尽きないのであれば、サラリーマンから奥様まで、自分の「ヒト」に関する考え方をアップデートする人が増え、「ヒトが動き、ヒトが育つ」ことを望む。


自戒を込めて。