己の美学
決して譲れないぜ この美学 ナニモノにも媚びず 己を磨く
素晴らしき ロクデナシたちだけに届く 轟く ベースの果てに
見た 揺るぎない 俺の美学 ナニモノにも媚びず 己を磨く
素晴らしき ロクデナシたちだけに 届く 轟く ベースの如く『B-BOYイズム』RHYMESTER(1998年)
「美学」という言葉を強烈に印象づけたのはライムスターのB-BOYイズム
美学。
1 美の本質、美的価値、美意識、美的現象などについて考察する学問。
2 美しさに関する独特の考え方や趣味。
英: aesthetics
英語だとエステティクス。よく耳にするワードに見えてくる。
自分に問うてみる。自分に美学があるのか。何を美しいと思い、何を美しないと感じるのか。自分の中にある美の本質とは何なのか。問えば問うほど思う。誰かから説かれたことはないが、なんとなく体験・経験から学んできており、積み上げてきたものがある。そして、ライムスターの冒頭の4小節に全てが込められてる気がしてくる。
・決して譲れない
・ナニモノにも媚びない
・己を磨く
自分に決して譲れない!といえるものがどれだけあるだろうか。
自分はナニモノにも媚びていないだろうか
己を磨いているのだろうか
己の美学。その正体は曖昧模糊な気もしてくるが、"それ"を自覚し表明しているかどうかは置いておいて、無自覚に積み上げ、取捨選択してきている気もする。ある種の無自覚のアイデンティティ。
ただ、己の美学を磨こうとすると、その無自覚の美学を、アイデンティティの正体をえぐりに行かないと見えない気もしてくる。
自分自身という存在が美しいか美しくないかではなく、自身の内的世界において何を美しいと感じ、何を美しくないと感じ、取捨選択してきたのか。それを自覚した上で、決して譲らず何者にも媚びず磨いていくことそのものが「美学」なのかもしれない。
そう考えると、言葉の意味どおり、美学とは自身の美的感覚、美意識そのものであり答えはない。だからこそ追求しがいがあり、他人に押し付けることなく、磨くことで光り輝くものにしていたい。自分が美しくありながら、美しいものを見続けるために。